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2006年06月08日
写真放浪記
二度目の夏の風が横切る。
低く唸る電車の音にも、
もうずいぶん慣れた。
相変わらず舟は行き交う。
何度も何度も海の道を走り、
その先の島へとわたしたちを運ぶ。
水面には、いくつもの光。
潮の流れに身をまかせ、ゆらゆらと漂っている。
顔馴染みの猫は、
名前を呼ぶと、にゃあと返事をする。
もっと気まぐれな生き物だと思っていたが、
時折、犬のような忠実さを見せる。
急いだつもりはないけれど、
少し、早足で歩き過ぎたような。
なにをそんなに急いでいたのか?
時々地を這うように、
忘れていたものを拾い集めて歩きたくなる。
どこかに、落ちていませんか。
誰か、拾ってはいませんか。
花のようになりたいとか
箱のようになりたいとか。
人間は身勝手な願望ばかり連ねる。
花はただ花として咲く。
潔い覚悟とともに。
今日も、尾道の日が暮れる。
大時計の針が夕方の時を刻んでいる。
遠くでごおん、と鐘の音。
石畳を歩く右足左足。
わたしはこの静寂を愛している。
ただ委ねて漂っていたい。
水面に浮かぶ光のように。
2006年06月01日
尾道 Walking
晴れた日にはカメラを持って
尾道の町をぶらぶらと歩く。
道ばたに咲く花たちが
移り変わる季節を教えてくれる。
少しだけ空に近づいてみる。
連なる地上が可愛らしく見える。
何度歩いてもこの町は迷路のようだ。
換気扇から、魚を焼くにおい。
お腹がすいてくる。
昼の顔、夜の顔。
少し暗がりの、ひなびた路地。
思い出なんてないのに、
いつもどこか懐かしい。
1年たってやっと、
見えることや感じることがある。
わたしはこれから何を撮るだろう。
感動する。寛容する。
感応する。官能する。
新しい世界が、開かれることを祈っている。